クリス達は行く手を塞がれていた。
マイクロトフと分かれた後、クリス達は見聞を広める為、ミューズ市内を歩いて
廻り、フィッチャーが用意した宿に戻ろうとした時に魔獣の襲撃に合った。
「さて、困りましたね。クリス様、行くにも戻るにもどうやら道は絶たれているよ
うです」
と、取り乱した素振り一つ見せることなく言ってのけたのは、クリスと背中合わせ
で立っているパーシヴァルだった。
「パーシヴァル。貴公、よくもこんな状態で冷静に言うことができるな…」
そう返したのは、クリスの前方で剣を構えているボルス。
「取り乱しては、勝てる戦も勝てませんよ。ボルス殿」
「……とりあえず、この場を切り抜けることが先決だな」
愛剣シュテンディヒを構え、クリスは真正面を見据えた。
前方後方を囲む魔獣は、ゴーストアーマーとキメラ。
「パーシヴァル、ボルス」
「はっ」
「はいっ」
「一点突破するぞっ!!」
そう叫んだ瞬間、クリスは正面のゴーストアーマーを一閃した。パーシヴァルとボ
ルスも彼女に倣い、魔獣に斬ってかかっていった。
『誉れ高き六騎士』。流石と言うべきか、見事なほどに敵を屠っていった。多勢
に無勢という状況下に置かれながらも、コンビネーションを駆使し、クリスは手数
を駆使した攻撃。パーシヴァルは正確無比な急所への攻撃。ボルスはその腕力をフ
ルに活かした攻撃で、その場にいたゴーストアーマーを全て片付けた。
残るは、キメラ。前門の虎後門の狼と言ったところ。三首が剣呑な色の瞳を輝か
せながらこちらを伺っている。
キメラの滑空攻撃はともかく、猛毒に犯すブレスが脅威である。
「一体、どうして攻めたものか……」
と呟いたところで、状況は打開されるものでもなく、
「いくぞっ」
殲滅以外、自分達に生き残る道は残されてはいない。
クリスが正面から、パーシヴァル・ボルスが左右からの挟撃を展開する。
未だ複数敵が存在している以上、こちらが数では劣っていることから、一つの敵
ばかりに手を煩わすわけにはいかず、一撃離脱で攻撃を繰り返す。
背後に控えているキメラに注意しながら、クリス達は自分達の眼前に立ちふさが
っているキメラに攻撃を加えていた。
キメラの爪と牙にかからぬように相手のリーチを考えた上で、死角から攻撃を浴
びせる。
「何とも……」
決定力不足に歯痒さを感じていた。
常時六人パーティーで行動しているため、いわば多勢に無勢で押し通すことがで
きるが、数が減れば当然攻撃力も低下するわけで、以前と現時点の力差に戸惑いを
感じていた。
『ったく、いらんで良い時にひょっこり現れるクセに、必要な時にはおらんとわっ』
と罵っても意味の無いのに、某金髪ナンパ男に毒づかずにはいられなかった。
前門の虎を何とか倒し、後門の狼を倒すべく向きを変える。何とか体格差と機動
力で相手を翻弄するしかない。
猛毒のブレスを警戒しながら、一撃離脱を試みる。懐に飛び込んだままで攻撃を
加えることが出来ず、悪戯に敵の警戒心を高めるだけだった。
見ると流石にパーシヴァルとボルスも連戦のため、動きが鈍ってきていた。
『クッ…!』
通りを塞いでいた魔獣を三人で駆逐しているのである。体力も落ちれば、剣もそろ
そろ切れ味が落ちている。
『何とか、早期に決着を付けたいところだが……』
気持ちだけが焦り、クリスの太刀筋にも鈍りが映る。
クリスは強引にキメラの懐に入り込み腹部を渾身の力で薙いだが、致命傷にはな
らなかった。
反対に大きく剣を振りきった後のクリスにキメラが襲いかかった。獅子の前足の
鉤爪をクリスの頭上から振り下ろす。
咄嗟に剣でクリスは防いだものの、完全にその力を殺すことは出来ず、衝撃によ
って側面に吹き飛ばされた。
「うぁっ!」
「クリス様ッ!!」
クリスは地面に倒された後、素早く立ち上がり第二攻撃をかわすことが出来たが、
立ち上がっただけで、剣を再び構え直すことが出来なかった。
先程受けた攻撃が強かったのか、クリスは何度も頭を振り視野を回復させようと
していたが、それも虚しく、気づいた時にはキメラが眼前にそびえ立っていた。
「しまっ……」
キメラは完全にクリスに照準を合わし、その最大の凶器である前足の爪を振り上げ、
クリスに振り下ろした。
「クリス様ーッ!!」
「!!…」
しかし。
来るはずの衝撃、来るはずの痛み、来るはずの結果。クリスが覚悟したものは何
一つ無かった。そのかわり……、
今にもクリスに爪を振り下ろそうとしていたキメラは、突如としてその足下から
沸き上がった朱殷の闇に包み込まれ、瞬間、絶命した。
「一体、何が……」
自分を殺すはずだったキメラは、瞬間にして無に消えた。
先程起こった事を頭の中で反芻して、
「先程のは、魔法……?だが一体誰が…」
と呆然としていた。
クリスにとって初めて目にする魔法であった。その為、その魔法がどのような効
果をもたらしたものか判断できなかった。
呆然と座り込んでいるクリスにパーシヴァル達が駆け寄り、安否を確認した。
「クリス様、ご無事で……」
「あ、あぁ…」
「先程の攻撃、魔法のようでしたが、クリス様の術では……」
「いや、違う。一体誰が…」
私を助けたのだろう、と口に出そうとした時、クリス達の前に一人の少年が現れた。
「大丈夫ですか?」
その少年は棍を携えて赤い胴衣に緑のバンダナを頭に巻いていた。
「ゼクセン騎士団団長クリス・ライトフェロー殿とお見受けします」
「あぁ…、私がクリスだ。
今の魔法は君が?」
彼は締南国の人間なのだろうか?何とは無しに不思議な雰囲気を感じた。見た目、
15・6才の少年がこの場に居合わせること自体不可解であるはずなのに、その少年は
その事に関して違和感を感じさせなかった。
「はい」
「ありがとう。君に助けられた。あの時君が魔法で倒していなかったら、私は己の
骸を晒していただろうからな…」
「いいえ。当然のことです。
それよりここは、外は危険です。市庁舎の方に退避して下さい」
「街中、こんな状態なのか?」
「ええ。他の人達も魔獣に手を焼いている状態で……」
「何とか手伝いたいところだが……。流石にそうもいくまい」
土地勘の無い者が動くこと自体無謀であるし、第一自分達は『国賓』である。勝手
な行動は慎むべきだろう。
「市庁舎に急ごう。他の連中も避難しているかも知れないから」
そう言ってパーシヴァル達に目配せをし、少年を筆頭に今来た道を戻ろうと踏み出
した瞬間、空間に新たな敵が出現した。先程、絶命の悲鳴を聞き付けたのかキメラ
が複数体、そしてエンプーサもこちらを伺うように哨戒していた。
「さっきの声を聞き付けて来たのか……?」
まずいな…、とクリスは咄嗟に思う。先程の戦闘でクリス達三人はかなり疲労して
いる。この少年が一体何者か知れないが、彼一人で何とかなるようなものでもない
だろう……。
「……万事休す、でしょうかね」
「パーシヴァル、何をひ弱な事を言っているっ!!」
このまま前進は不可能となってくる。そうなると後退するしかないが、そうなると
市庁舎から離れることとなる。
「…本当に、よく召喚されているようだね」
「さて、一体どうしたものか?このままの前進は不可能だろう?」
嫌だがどうしても弱音が出てしまう。
「僕としては、一刻も早く貴方方を市庁舎へ退避させなければいけないんで……」
少年は、右手をぎゅっと握りしめ精神を集中させていく。
「少年、何を?」
「クリス殿、少し後ろに下がっていてください」
そう言うと、さらに集中させていく。魔力の放出も確認できた。
徐々に視認できる魔力。それは紅く黒い、朱殷の輝き。そして、それは見る者を
無条件に畏怖させた。
「一体…」
彼の周りを包む魔力の輝きが最高潮に達した時、
「魂喰らいよっ、生か死か、その『裁き』を下せっ!!」
彼の声に導かれ、天より死天使が光臨し、彼の敵を漆黒の輝きでもって呑み込んで
いった。魔獣は悲鳴を上げることなく消滅した。
「……、異界からの召喚魔法。あの時と同じだな…。あの時と同じ魔獣達が召喚さ
れている」
たった今、無に帰した魔獣達を見て出した答え。そしてその答えが意味している内
容。それは彼にとって、悲しみを与えた。
「すごい…、魔法だな……」
初めて目にする闇の魔法にクリスは、恐怖を感じさせていた。命あるものに無条件
に死を与える魔法。使いこなすこと自体困難で、しかもその紋章球自体、滅多に目
にかかるものではない。実際、グラスランドでは、闇、破魔の紋章は確認されてい
なかった。
「物騒なんですけどね。今は時間が惜しかったから……」
少年は苦笑いをしていった。
「とりあえず、先を急ぎましょう。またさっきみたいに魔獣が集まると厄介ですか
ら」
クリス達は頷くと少年を先頭に、市庁舎へと向かった。
クリス達が先程まで戦っていた場所は、ミューズ中央付近の防具屋前で、裏通り
を通って市庁舎に向かうことが最短距離であったが、魔獣の気配が濃く、時間の浪
費を避けたいが為、彼らは表通りを進むことにした。
「しかし、このまま市庁舎に退避とは、少々騎士の名が廃る思いがします」
と表通りを走りながら、ボルスが吐いた。
「……確かに、な」
クリスとしても同意ではあるが、
「でも、皆さんは締南の国賓なのだから、手を煩わせるわけにはいきませんよ」
「そうではあるが……」
「それに貴方達に何かあったら、それこそ大変です」
招いた客に怪我を負わす事など出来るわけがない。大体、今回のこの件に関して締
南国国主は、過敏なほどに気を配っていたのだ。実際はこの結果となってしまった
が。
クリス達は大通りに入り、左手に市庁舎を確認した時、先頭を走っていた少年の
動きが突っ伏せるような形で止まった。
「どうした、少年」
少年は、右手を握り締め、頭を押さえてその場に膝をついた。
「大丈夫か?」
先程の魔法の所為で、体に変調を来したのだろうか?
少年はクリスの呼びかけに反応することなく、その場に膝をついている。
クリスは顔をのぞき込み、水の紋章魔法を掛ける為、手が少年の体に触れようと
した、その瞬間。
「テッド…、ユーバー?……」
「?」
クリスの手を払いのけるかの如く、少年は立ち上がり正門の方向を睨んだ。
「この感じ…、まさか、あいつがここにいるのか?」
彼が見据えた方向にどす黒い気配を感じた。少年は右手を握り締めて意識を集中さ
せる。
「少年……?」
集中すると気配が、まず自分の隣に一つ。少し離れた場所に二つの気配。そして最
もここから離れた正門付近に、一つ、二つ……、三つ…?
「!!」
意識を凝らして探ってみて、確かに三つ気配があった。
このミューズの中で存在している筈の紋章は、六つ。それなのに七つ目が確認で
きた。
「まずい……、ここままじゃあ…」
瞬間的に背筋が凍る感触に襲われる。正門には単身で向かった筈。その状態でユー
バーと戦闘することを考えると楽しい内容ではない。楽しい結果にはまずならない。
『いくら何でも、荷が重すぎる……』
気配をアテにして単独行動を赦してしまったが、実際は紋章が複数ある為に気配
がいり混ざり、正確に判断が出来ない状態になっていた。その為、ユーバーの存在
を確認することが出来なかったのだ。今更後悔してもどうとなるわけではないが、
それでも悔やまずにいられなかった。
『どうする?』
と自問しても、この場から離れることが出来ない。今の優先事項は、この三人の身
柄の安全を確保すること。
市庁舎は目と鼻の先だが、それでもこのまま放置するわけにもいくまい。
クリスの顔を伺ってみると、困惑した表情でこちらを見ている。
当然だろう。日の浅い彼女らにはこの状況は、あまりに混沌とし過ぎている。
「少年…、一体どうしたのだ……?」
「……」
どう答えればいいか、このまま市庁舎に向かえ、と言えるものでもない。
考えあぐねいていたその時、複数の足音が市庁舎の方から聞こえてきた。
「クリス様っ、あれをっ!!」
ボルスの声で振り向いてみると、松明を持った人影達がこちらに向かって走ってく
るのが分かった。
「ミューズの者か?」
松明に浮かびあがるその服装は、青の騎士服。
「マイクロトフッ!!」
クリスが言うより先に、恐らく兵を引き連れている人間の名を呼んだ。
「イーヴァ殿かっ!?」
松明に照らし出された人間は、夕刻まで自分達と会話をしていた人物である。そ
の人物は自分達ではなく、この少年の名を呼んだ。
「イーヴァ殿っ!、ここにおられたか。クリス殿達も一緒で?」
「あ、あぁ…、この少年に連れてきてもらったんです」
「そうですか…」
イーヴァの後ろで立っていたクリス達を見て、安堵の表情を浮かべていた。
そんなマイクロトフに対して、イーヴァの表情は浮かばないもので。
「マイクロトフ、彼女達をお任せして良いか?」
「勿論。…如何なされた?」
焦った表情を隠すことなくイーヴァは言葉を続けた。
「ハッキリしたことは判らないが、ユーバーがこのミューズにいる……」
「あの黒鎧の剣士が?」
緊張の走ったマイクロトフの顔を見て頷き、
「…多分、もう天は接触している。
まだ最悪な状態にはなってはいないだろうけど、とにかくあいつが相手なら、愚
図愚図しているわけには行かない…」
マイクロトフもユーバーの実力は戦場で見ている。ルルノイエ攻防戦の折り、ハ
イランドに対して早々に見切りを付け、最終決戦では戦うことはなかったが、それ
でも戦力実力は折り紙付きである。その存在が天威と対峙しているとなると、心中
穏やかなものではない。
「分かりました。こちらは我々に任せてください」
「お願いします。後……」
イーヴァは市庁舎の方を一瞥して、
「ここには今、三つの紋章があって、その上に三つ紋章がある。
それがどういう事になるか分からないけど、警戒をしていて欲しいんです…」
「紋章を使われるので?」
「ユーバー相手で使わずに済むわけはないから。
最悪なことが起こるとは思えない。天がいて、僕がいて、シエラがいる。その状
況下で起こることは無いだろうけど、それでも……」
「わかりました。伝えておきましょう」
「よろしくお願いします」
そう言った瞬間、イーヴァは闇の中に消えていって。
あっという間の出来事で、クリスはその一連を見ていながら、何も行動できなか
った。
「クリス殿、ここは危険ですので、市庁舎へ……」
マイクロトフの声に、正気に戻った。
イーヴァが消えた方向から、マイクロトフの方へ首を巡らしてクリスは、
「マイクロトフ殿、…彼は一体何者ですか?」
余りにも理解できる状態ではなかった。
「彼は、イーヴァ殿は、我々の客人です……」
「はぐらかさないでいただきたい。彼は一体何者なんです?」
余りにもおかしいではないか。あんな少年が、貴方のような人間と対等以上に話す
など……。そして彼らの会話に出てきたユーバーの名。
この件に関して、ユーバーの名は自身の口からは出てきたことはなかった筈。な
のに、あのイーヴァという名の少年は勿論、マイクロトフ自身知っているようであ
る。一体どう言うことなのか、クリスは理解できず混乱するばかりで。
「客人ですよ。 我らが国主天威殿の」
弾かれたようにマイクロトフの顔を見る。
「クリス殿、貴女は何も感じられなかったのですかな?」
「…?、何を?」
「あの方は、貴女方と同じです」
「どういう…?」
「イーヴァ・マクドール。18年前の『門の紋章戦争』の英雄にして、『生と死を司
るの紋章』の継承者」
「なっ……」
言葉に詰まった。
『門の紋章戦争』は風の噂で耳にした程度であるが、それでもその後、知識とし
て持っている。だが、ゲドに会い、紋章が如何なるものかを訊いた。彼という存在
を見て、継承者という存在が如何なるものかを見た。
実際に、それは実感を持つことが出来なかった。『真の紋章』というもの、『不
老』であると言うこと。
先程いた少年は『継承者』である、とマイクロトフは言った。そして『英雄』で
あると。
『継承者』であること、その存在が、その意味が、クリスには分からなかった。
「彼は、一体何処へ……?」
「正門の方でしょう。少々厄介な敵がいるようですから…」
「…ユーバーが、いると言っていたが?」
「…我々には分かりかねませんが、恐らくそうなのでしょう…。あれもまた、紋
章の継承者であるそうですからな」
300年前でも変わらぬ姿で存在していたと言ってた。吸血鬼でない限り、紋章の
継承者以外、当てはまらないだろう。
クリスは、困惑に襲われていた。
この場に自分達以外の紋章の継承者がいたと言うこと、それらが自分達を差し置
き行動していること、ユーバーがこのミューズに現れていること……。
「何故、我々以外の継承者が……」
「さて分かりかねますな。ただ、一つ言えることは『興味』で動いている事は確か
でありますがな」
そのセリフを何処かで聞いた気がした。だが今はそれを気にしている場合ではなか
った。何故、我々ではなく他の継承者が戦っているのか……。
「クリス様…」
クリスの感情をくみ取ったのか、パーシヴァルがこちらを見ている。
「ボルスッ!、パーシヴァルッ!」
『はっ!』
「彼を追うぞっ!!ついてこいっ!!」
市庁舎に退避するなどと言うことなど、この時点で完全にクリスの中で消滅してい
た。ただ、あの少年イーヴァが何故、戦うのか?その理由が分からなかった。そし
て継承者と呼ばれる存在がどのようなものかを見たかった。知りたかったのだ。
クリスは、重い甲冑を擦らせながらイーヴァの後を追った。パーシヴァル達も彼
女を止めることなく後ろについて行った。
その三人の姿を眺めながら。
マイクロトフは、シュウからは身柄確保を命じられていながら、クリスがイーヴァ
の後を追っていったことを黙認した。
『少々、けしかけすぎたか?』
と思うところもあったが、それでも彼自身、そう行動したことに過ちではなかった
と判断している。
マイクロトフは、ただ、クリスを見て『知るべき』だ、と漠然と感じた。何がと、
表現するのは難しいのだが、それでも……。
マイクロトフは剣を掲げ、青騎士に言い放つ。未だ周辺には魔獣が潜んでいる。
これ以上の横行、見過ごすわけにはいかない。
「マチルダ騎士団っ!!この場にいる魔獣、一匹残らず掃討するぞっ!!
我らが騎士の名と誇りに懸けて、全てを討ち滅ぼせっ!!」
(last up 2003) ← →